3種SNRIの比較|イフェクサーとサインバルタとトレドミンまとめ

雑記
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3種の【SNRI】イフェクサーとサインバルタとトレドミンの違いを説明

抗うつ薬のイフェクサーとサインバルタとトレドミン

どうちがうの?

3種はSNRIに分類されるね。ちがいをまとめます。

薬名イフェクサーサインバルタトレドミン
成分名ベンラファキシンデュロキセチンミルナシプラン
発売2015.122010.042000.10
分類SNRI
第4世代抗うつ
SNRI
第4世代抗うつ
SNRI
第4世代抗うつ
適応うつ病、うつ状態うつ病、うつ状態
糖尿病性神経障害
慢性腰痛症
変形性関節症
線維筋痛症
うつ病、うつ状態
レセプター
再取込作用
低用量:NA↑<セロトニン↑
高用量:セロトニン↑<NA↑
(※NA:ノルアドレナリン)
NA↑<セロトニン↑セロトニン↑<NA↑
用法1日1回
食後
1日1回
食後
1日2~3回
食後
用量初期37.5mg
1week後から75mg
max225mg
(75mg/週ずつ増量)
初期20mg
1weekにつき+20mg
max60mg
初期25mg
max60mg
高齢者max60mg
禁忌
(2週以内の服薬をチェック)
エフピー
アジレクト
エクフィナ
エフピー
アジレクト
エクフィナ
エフピー
アジレクト
エクフィナ
禁忌高度腎機能障害
高度肝機能障害
高度腎機能障害
高度肝機能障害
コントロール不良の閉塞隅角緑内障
尿閉(前立腺疾患等)

ちがいは、イフェクサーは低用量から抗うつによく効く、トレドミンは抗うつ作用がマイルド(弱め)で副作用も少なめ。サインバルタは神経障害系の痛みに適応があるので使いやすいといった印象です。イフェクサーは低用量ではセロトニン作用が強く、高用量にしていくとノルアドレナリンへの効果が強まっていく薬です(デュアルアクション)。

適応が多い利点のためか、シェアは圧倒的にサインバルタが多いです。整形でもよく処方されます。今のところ、だいたい90%、5%、5%くらいです。

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そもそもSNRIについて

比較的安全な抗うつ薬で、うつ病の第一選択に使われます。リフレックス(鎮静系抗うつ薬)とちがい、鎮静作用がない特徴があります。(眠気・めまいの副作用がゼロではないです)

SNRIは、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬です。

結果としてセロトニン↑とノルアドレナリン↑です。他の受容体に対しては、ほぼ無効である点が特徴です。

SNRI
  • セロトニン増強➡抗うつ作用、不安感改善
  • ノルアドレナリン増強➡意欲改善
  • 抗コリン作用ほぼなし➡口渇、便秘など出にくい
  • 抗ヒスタミン作用ほぼなし➡体重増加、眠気出にくい(ただし、体重増加でにくい薬に分類されるが出なくはない。また、理論的には眠気でにくいが、実際には傾眠の副作用も一定数出る。)

代謝・排泄

イフェクサーサインバルタトレドミン
代謝ほぼCYP2D6主にCY1A2
一部CYP2D6
肝代謝
(グルクロン酸抱合)
排泄経路
(排泄)
腎臓肝消失型
(腎排泄型ではない)
腎排泄型
尿中排泄率60%
重度の腎機能障害
糸球体ろ過量15mL/min未満・透析
禁忌禁忌CCr10以下:
25-50mg食後分割
GFR(CCr):15-30常用量の50%禁忌CCr10-50:
25-75mg食後分割
GFR(CCr):30-60常用量の50-75%減量不要CCr50以上:
50-100mg食後分割

サインバルタは腎排泄型ではない(尿中排泄ほぼされない)が、透析患者、重度腎障害で禁忌です。CCr30mL/min未満ではAUC、Cmaxが約2倍に上昇してしまうため禁忌となっています。

トレドミン(ミルナシプラン)は肝臓代謝酵素のCYP系を介さずに、直接グルクロン酸抱合を受けるので、薬物相互作用が少ないメリットがあります。高齢者にも使いやすいです。ただ尿閉(前立腺肥大症等による)に禁忌なので注意です。

NaSSA(リフレックス)とSNRIとSSRI

NaSSAは「ナッサ」といいます。

NaSSASNRISSRI
ノルアドレナリン作動性・
特異的セロトニン作動性
抗うつ薬
セロトニン・
ノルアドレナリン
再取り込み阻害剤
選択的セロトニン
再取り込み阻害剤
リフレックス/レメロンイフェクサー
サインバルタ
トレドミン
デプロメール・ルボックス
パキシル
ジェイゾロフト
レクサプロ
プロザック(日本未承認)
ノルアドレナリン放出増加
セロトニン放出増加
ノルアドレナリン放出増加
セロトニン放出増加
他受容体の親和性ほぼなし
セロトニン放出増加
(セロトニン選択性)
抗ヒスタミン作用+++強い
不眠に有用
体重増加でやすい
抗ヒスタミン±ほぼない抗ヒスタミン+(++)

NaSSAは、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(Noradrenergic and Specific Serotonergic Antidepressant)と呼ばれます。リフレックスとレメロン(先発併売)の2メーカーからでていますが、レメロンよりリフレックスの方が良く出てい印象です。ジェネリック(ミルタザピン)が出てたので、今後はジェネリックのシェアが伸びていくでしょう。抗うつ作用強く、抗ヒスタミン作用強く、不眠をともなう うつに有用です。

NaSSAは鎮静系抗うつ薬と呼ぶこともあります。「鎮静系抗うつ薬」はミルタザピン(リフレックス、レメロン)の他に、四環系抗うつ薬のミアンセリン(テトラミド)とセチブチリン(デシプール)、トラゾドン(デジレル、レスリン)も含みます。

SNRIはノルアドレナリン(意欲の改善)とセロトニン(不安・緊張の改善)の両方に効果が期待できます。もっともよく使われるサインバルタは痛みにも適応があります。イフェクサーはセロトニンへの効果が低用量から期待できますが、ノルアドレナリン効果は低用量では低く、用量を上げていくにしたがって出てくるという特徴があります。

SSRIはセロトニン選択的で、他の受容体への親和性は低く、副作用が従来薬より抑えられているのが特徴です。アクティベーション症候群(賦活症候群)といわれるセロトニンの暴走の懸念があります。投与初期と増量時に注意が必要です。セロトニンの反応が異常に上がると、イライラや焦燥感、怒りっぽくなったり、不安の高まりがでます。24歳以下の若年層での服用では特に注意が必要です。もともと攻撃性の高い若者群はハイリスク群となります。またSSRIのなかではパキシル(パロキセチン)が他と比較して多いです。一定の発生率がありますので注意が必要です。日本でも海外データでも4%~5%程度の発生率なので、20人~25人にひとりの割合なので結構な確率です。

SSRIは、ゆりもどし現象(中止後症候群,discontinuation syndrome)にも注意が必要で、急に服用をやめると症状の再燃の懸念があります。服薬を急にやめると不安・イライラ感が出たり、ゆううつの再燃の危険があります。やはりパキシルが他SSRIに比べてハイリスクです。パキシルは他のSSRIに比べて代謝が早めの傾向にあるので、それが理由とされています。急に服薬をやめずに徐々に減量していくことが大切です。ゆりもどし現象は、いわゆる単純に依存とは違います。急に服用をやめたら「薬が欲しくなってしまう」わけではなく、症状の再燃、悪化の可能性があるということです。

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